顔のない顔

どんな人の顔も 死ぬ前になれば しっくりと落ち着き 安定感がでてくる 鏡のなかの顔は不安定で なんとも落ち着きがない たぶんまだ 死なない 間の抜けた顔が どうしたら安定感のある 落ち着いた顔になるのか 想像もつかない 死ぬ前になれば 誠実さや正直さが 身についているとでも いうのだろうか この顔のない顔は なにをしても ちゃんとした顔には ならないと思うのだけれど